【センセーションシーキング】キャリアチェンジサロン事務局通信vol.67

こんにちは。

事務局の櫻井正則が担当します、第67回目の事務局通信。

最後までご一読頂ければ幸いです。

※事務局通信は、キャリアチェンジサロンのセミナーやメールプログラムにお申込みいただいた方に毎週水曜日、キャリア関連のことやキャリアチェンジサロンの様子についてお送りしております。

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「センセーションシーキング」

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2017年に発生した東名「あおり運転」、4人死傷事故で危険運転致死傷などに問われた石橋和歩被告の差し戻し審に対し、横浜地方裁判所は６日懲役18年を言い渡しました。

あおり運転をしてしまう人の心理メカニズムに対して、精神科医の片田珠美氏は、「『あおり運転』をする人には、衝動制御障害、思考停止の状態、想像力の欠如が認められ、自己顕示欲と承認欲求が強い。また、危険な運転で味わった快感を忘れられず、依存症に陥っている可能性もある」と語っています。

それが全てではないかも知れませんが、自らの優位性から、それを邪魔した人間に対する怒り、しかも自分は悪くない、相手が行く手を遮った、あるいは自分が納得いく運転をしなかったという事で全く罪悪感は無く、相手の恐怖を想像することもなく、行為に及んでしまうというものだと考えられます。

これは決して「あおり運転」に限ったことではありません。

自らの優位性。

人より自分は優れていると感じていることに、反対されたり抵抗を受けると、何とも言えない「怒り」に近い感情が湧き上がってきます。

そしてその怒りをぶつけた時に相手が黙ってしまったり、屈服してしまうと、優越感はさらに増幅し、その時の快感が忘れられなくなってしまう。

小さくは喧嘩。大きくは支配者。

DVなどもその範疇と言えるかも知れませんね。

こうした感覚刺激追求型気質のことをHSS(High Sensation Seeking)、センセーションシーキングと呼んだりします。

HSSは、デラウェア大学のマーヴィン・スッカーマン博士が提唱した概念です。

特徴としては、好奇心が強く新しい刺激を追い求めるためにリスクを過少評価することがあります。

良い面としてはストレスを感じにくく、回復力があり、危機に直面しても落ち着いていられるといったことが挙げられるのだそうです。

私も20代、30代の頃はその様な心理状態が無かったわけではないなぁ～と思い起こします。

その後精神障がい者の方々と働く中で、彼らのお陰で随分と優位性からくる怒りの沸点は、どこぞにか消えてしまいました。

思い出すエピソードがあります。

まだ施設に勤めて間もないころ、何度教えてもできない利用者の方につい怒りをぶちまけてしまいました。

「これだけ教えているのに、何でできないの!!」

つまり私はできる人、その私が何度も教えているのに何故あなたはできないのか？

と言うことです。

もちろん相手は怒って辞めてしまうかも知れません。

ただその時は怒りの心が全てで、相手の気持ちなど想像もつきませんでした。

その時その利用者から返ってきた一言。

「おなら…」

そう言ったのです。

考えられます？

私はその一言を聞いて、思わず笑ってしまいました。

周りの緊張で身をこわばらせていた他の利用者も大笑い。

私はこんなことで怒っていた自分がバカバカしくなり、しかも職場の緊張感を彼は一瞬にしてほぐしてくれました。

そんなことは私にはできません。

完敗です。

それからはもちろん怒ることもありましたが、怒ることで彼らより優位であるという事に快感を覚えなくて済みました。

その「おなら」の彼のお陰です。

人間は、全く別の感覚を持った存在や考え方と共存することによって、上であるとか下であるとかのつまらない感覚に支配される事の無い、一つの大切な心と言うものを学び得るのだと思います。

センセーションな思考も時には必要かも知れませんが、それに支配されてしまっては元も子もありませんね。

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キャリアチェンジサロン運営事務局

櫻井 正則（さくらい まさのり）

20代から演劇の作・演出家として何十本もの創作劇を上演。

30歳の時に、精神障がい者の社会復帰施設での彼らとの出会いから、こんな世界があるのかと目覚め、以後その道に進み、仕事の傍ら10年間東京都での「心の健康フェスティバル」総合演出を担当。

6年間地域のエッセンシャルワーカーの若手の繋がりを主催。

50歳で精神障がい者に特化のｅ－ラーニングを事業としたNPO法人「Leaves of Grass」を立ち上げる。

2020年12月に60歳で職場を定年退職。

2021年2月にITアプリを導入してメンタルヘルスケアを支援する一般社団法人「リプラボ」を立ち上げる。

その他に狛江市のNPO法人「狛江さつき会」の理事も兼務。

現在調布の自宅と埼玉県小川町の事務所を行ったり来たりの生活で、小川町では日本ミツバチのチーズケーキ販売の事業を展開すると同時に、障がい者の方に活版印刷を教えて、ユネスコ無形文化遺産の和紙で名刺づくりを始めている。

雇用環境整備士資格（Ⅱ種）取得

■NPO法人Leavess of Grass

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